仕事で英語が必要になった。
しかし、留学経験も海外駐在経験もない。学生時代から英語は苦手で、今から身につけるのは無理ではないか。
そう思っている方へ、まずお伝えしたいことがあります。
留学をしなくても、仕事で使えるビジネス英語は身につけられます。
私自身、留学も海外駐在も経験していません。それでも独学と実際の仕事を通じて英語を身につけ、外資系企業や海外の取引先との仕事で使ってきました。
私も、会社を辞めて留学しようと考えた
私にも、英語を身につけるには留学するしかないと思っていた時期がありました。
実際に、勤めていた会社を辞めて留学しようと考えたこともあります。しかし会社から慰留され、代わりに会社負担で英語のレッスンを受けることになりました。
その後も、日本で働きながら英語の勉強を続けました。
振り返れば、ずいぶん遠回りをしています。それでも、留学しなくても英語を仕事で使えるようになることは、自分自身で証明できました。
同時に、今ならもっと効率よく身につけられるとも思います。
ビジネス英語は、使う範囲が限られている
「英語を話せるようになる」と考えると、途方もなく大きな目標に見えます。
日常会話では、食事、趣味、家族、文化、政治、スポーツなど、何が話題になるかわかりません。
一方、ビジネス英語で扱う内容は限られています。
- 自分の担当業務
- 製品やサービス
- 価格、品質、納期
- 会議、報告、依頼、確認
- 問題の説明と解決策
- 次に誰が何をするか
自分の仕事で繰り返し使う単語や表現も、次第に決まってきます。
つまり、英語全体を身につけてから仕事で使う必要はありません。
自分の仕事に必要な英語から、先に覚えればよいのです。
すでに持っている仕事の知識が助けになる
仕事英語には、もう一つ有利な点があります。
自分の専門分野について、日本語ではすでに内容を理解していることです。
製品の特徴、仕事の手順、業界用語、起きている問題。話の背景がわかっているため、英語を一語一句聞き取れなくても、内容を推測できます。
こちらから話す場合も同じです。伝える内容そのものはわかっています。あとは、それを表すために必要な英語を覚えればよいのです。
英語力だけで勝負するのではなく、仕事の知識を土台にして英語を使う。これが、ビジネス英語を早く身につける大きなコツです。
英語を使う必要に迫られた今は、習得のチャンス
突然、仕事で英語が必要になれば、「大変なことになった」と感じるのは当然です。
英語のメールを書くのに時間がかかる。会議で指名されるのが怖い。相手の話を聞き取れず、仕事についていけなくなるのではないかと不安になる。
私にも、そのような時期がありました。
しかし、見方を少し変えてみてください。
仕事で英語を使う機会があることは、英語を身につける大きなチャンスでもあります。
英語を勉強している人の多くが悩むのは、覚えた英語を実際に使う場所がないことです。教材を読んでも、英会話のレッスンを受けても、実生活で使わなければ、せっかく覚えた表現を忘れてしまいます。
一方、仕事で英語が必要な人には、目の前に実際の課題があります。
- 返事をしなければならないメールがある
- 説明しなければならない製品や問題がある
- 発言しなければならない会議がある
- 意思を伝えなければならない相手がいる
- 今日覚えた表現を、明日使う機会がある
しかも、仕事では同じ分野の単語や表現を繰り返し使います。
最初は一通のメールを書くのに時間がかかっても、似た内容のメールを何度も書くうちに、よく使う表現が身についてきます。
会議で言えなかったことがあれば、終わった後に調べておく。次の会議でその表現を使い、相手に通じれば、自分の使える英語になります。
私も、十分な英語力を身につけてから仕事で使い始めたわけではありません。
仕事で使う必要があったから、少しずつ使えるようになったのです。
必要に迫られることは、確かに大変です。しかし、その環境は、教科書だけでは得られない実践の場でもあります。
「なぜ自分が英語を使わなければならないのか」と考えるだけでなく、「仕事をしながら英語を身につけられる機会を得た」と捉えてみる。その意識の変化が、最初の一歩を踏み出す力になります。
覚える、使う、定着させる
仕事英語の習得は、次の繰り返しです。
- 自分の仕事で必要な表現を覚える
- メールや会議で実際に使ってみる
- 通じた表現を記録する
- 次の仕事でも繰り返し使う
単語だけを大量に暗記するより、実際に使う文の形で覚える方が役に立ちます。
たとえば、依頼する、確認する、期限を伝える、問題を報告するといった場面ごとに、自分が使いやすい表現を用意します。そして実際の仕事で使ってみる。
相手から期待した返事が来れば、その英文が通じたことがわかります。その成功体験が、知識だった英語を「使える英語」に変えてくれます。
詳しい学習の進め方は、海外駐在なし・独学で仕事英語を身につけた方法で紹介しています。
留学は役立つ。しかし、始める条件ではない
もちろん、留学には大きな価値があります。
英語に触れる時間が増え、日常会話や文化への理解も深まります。短期間で英語漬けの環境に入れることは、大きな利点です。
しかし、仕事や家庭があれば、誰もが留学できるわけではありません。
留学できないからといって、英語の習得を諦めたり、始める時期を先送りしたりする必要はありません。
仕事で英語を使う機会があるなら、その仕事自体が実践の場になります。
メールを一本書く。会議で一言発言する。わからない表現を調べ、次に使ってみる。
その積み重ねによって、日本にいながらでも仕事英語は身につきます。
AIによって、学びやすさはさらに増した
今はAIを使えば、自分の業務に必要な例文を作り、英文を添削し、会議の練習もできます。
AIが英語学習を不要にしたのではありません。自分に必要な英語へ絞り込み、以前より速く学べるようにしてくれました。
AIの具体的な活用法は、AI時代でも仕事英語を学ぶべき理由で詳しく紹介しています。
必要な英語から、今日始める
留学経験がないことは、仕事英語を諦める理由にはなりません。
英語を全部マスターしようとせず、自分の仕事で必要な単語、表現、メール、会話から始める。
覚えた英語を実際に使い、通じた表現を自分のものにしていく。
この方法なら、日本で働きながらでもビジネス英語を身につけられます。
英語が必要になったことは、最初は負担にしか見えないかもしれません。しかし、使う機会があるからこそ、英語は知識ではなく仕事の道具として身につきます。
今の状況を、将来まで役立つ力を手に入れるチャンスに変えてください。
留学してから英語を使うのではありません。今の仕事で英語を使いながら、身につけていけばよいのです。
