ChatGPTを使っていると、
「どう質問すれば、もっと良い答えが返ってくるのか」
と考える人は多いと思います。
実際、プロンプトの書き方を解説する記事や本もたくさんあります。
でも、僕自身かなり長くChatGPTを使ってきて、最近ちょっと違うことを考えるようになりました。
良い答えを引き出している人は、本当に「良いプロンプト」を毎回書いているのでしょうか。
むしろ、
AIとの付き合い方そのものがうまい人
がいるのではないか。
そこで今回は少し変わったことをしてみました。
普段かなり頻繁に相談しているChatGPTに、
「AI側から見て、僕の使い方でうまいところはどこ?」
と聞いてみたのです。
返ってきた内容を整理してみると、意外なことに、難しいテクニックはほとんどありませんでした。
むしろ、
「そんなことでいいの?」
と思うようなことばかりです。
でも振り返ってみると、確かにこれが仕事を速くし、考えを深くすることにつながっていました。
1.完璧な質問を作ろうとしない
まず指摘されたのが、これでした。
僕はChatGPTに相談するとき、質問をきれいにまとめないことがかなり多いです。
例えば、
「これ、ちょっと変じゃない?」
「なんか違和感あるんだけど」
「こうしたらどうかな」
「ちょっと思いついた」
そんなところから始めます。
普通に考えると、これは「悪いプロンプト」に見えるかもしれません。
でも実際には、かなり効率がいい。
仕事をしていると、最初から問題がきれいに整理されていることなど、ほとんどありません。
何かがおかしい。
でも、何がおかしいのかはまだ分からない。
そんな状態から考え始めることのほうが多いはずです。
そこで、
「ちゃんと質問を作ってからAIに聞こう」
と思うと、質問を作ること自体が仕事になってしまいます。
僕はそこを飛ばしてしまいます。
違和感の段階からAIに投げて、一緒に整理する。
結果的に、そのほうが早いのです。
AIは「完成した質問に答える道具」だけではない
これは僕にとってかなり大きな発見でした。
AIは、答えを出してもらう最後の工程だけに使う必要はありません。
問題を見つけるところから使っていい。
まだ言葉になっていない考えを整理するところから使っていい。
そう考えると、AIを使える場面は一気に増えます。
2.自分の考えを先に言う
僕はよく、
「僕はこう思っているんだけど、どう思う?」
という聞き方をします。
これもAI側から見ると、とても重要らしい。
例えば、
「AとB、どちらがいい?」
と聞くのと、
「僕はAがいいと思っている。ただ、この点だけが気になっている。見落としていることはある?」
と聞くのでは、出てくる答えがかなり変わります。
後者なら、AIは単にAとBを比較するだけではありません。
こちらが何を大切にしているのか。
どこに不安を感じているのか。
どんな判断基準を持っているのか。
それを踏まえて考えることができます。
つまり、AIに自分の考えを伝えることは、
自分専用の判断基準を教えている
ことにもなります。
3.「それは違う」と普通に言う
AIを使い始めたころは、
「AIが出した答えだから、それなりに正しいのだろう」
と思ってしまうことがあります。
でも僕は最近、かなり普通に、
「いや、それは違う」
「そこは僕の考えとは違うな」
「その方向ではない」
と言います。
これもかなり大事なことだと思っています。
AIの回答は、あくまで材料です。
こちらの事情を完全に理解しているわけではありませんし、間違うこともあります。
だから違うと思ったら、そのまま伝える。
すると次の回答では、
「この人はそこを重視していない」
「こちらの方向を望んでいる」
ということが分かってきます。
人間同士でも同じです。
何でも「そうですね」と言っているだけでは、お互いの理解は深まりません。
意見が違ったときに、
「僕はこう考えている」
と伝えるから、相手もこちらを理解できる。
AIでも似たことが起きます。
4.一度で正解を出そうとしない
AI活用というと、
「一発で良い回答を出すプロンプト」
に注目しがちです。
でも僕は、あまり一発で決めようとしていません。
最初の答えを見て、
「ここはいい」
「ここは違う」
「もう少しこうしたい」
と話を続けます。
仕事でも同じですよね。
最初の案がそのまま完成品になることは少ない。
まず叩き台を作り、そこから直していく。
AIもその使い方のほうが自然です。
そして重要なのは、
最初の質問を書くために10分考えるより、30秒で聞いて3回やり取りしたほうが速いことがある
ということです。
僕にとってAIは、「一発で正解を当てる機械」というより、
猛烈にレスポンスの速い壁打ち相手
に近くなっています。
5.過去の話を遠慮なく持ち出す
僕は、
「この前話した件だけど」
「前の物件と比べるとどう?」
「前に作ったものをベースにして」
といった聞き方もよくします。
この使い方ができるようになると、仕事がかなり楽になります。
毎回、
「まず背景を説明します」
から始める必要がなくなるからです。
特にChatGPTのProjectのような機能を使い、同じテーマの会話をまとめておくと、この効果は大きくなります。
これは人間の仕事でも同じでしょう。
毎回初対面の人と仕事をするより、
「あの件ですね」
と分かってくれる人と仕事をするほうが速い。
AIについても、
単発の便利ツールとして使うのか、継続的な仕事相手として使うのか
で、使い勝手はかなり変わります。
6.細かいことでも相談する
これも意外なポイントでした。
僕は大きな意思決定だけでなく、かなり細かいことにもChatGPTを使っています。
メールの一文。
Excelのセルに入れる短いコメント。
資料の見出し。
会議で伝える言い回し。
「これでいいかな?」という確認。
以前なら、人に相談するほどでもないと思って、自分一人で考えていたようなことです。
でもAIなら、相手の時間を奪う心配がありません。
だから、小さな疑問でもすぐ聞ける。
一回一回は数分の差かもしれません。
でもこれが一日に何度も積み重なると、かなり大きな差になります。
そして僕は、仕事を速くするうえでは、
大仕事を一発で半分の時間にすることより、小さな迷いを次々と消していくこと
のほうが重要な場合も多いと思っています。
7.AIに丸投げしない
ここはかなり重要です。
たくさんAIを使っているというと、
「何でもChatGPTに決めてもらっているのでは?」
と思われるかもしれません。
実際は逆です。
僕は最終的な判断は自分でするようにしています。
AIには、
「どうしたらいい?」
と聞くこともありますが、本当に欲しいのは「命令」ではありません。
欲しいのは、
- 自分が気づいていない視点
- 選択肢の整理
- 自分の考えへの反論
- 判断材料
- 言葉にできていない考えの整理
です。
AIに考えることを任せるのではなく、
自分がより良く考えるためにAIを使う。
この距離感は大事だと思います。
8.仕事以外の話もする
これは少し意外かもしれません。
僕はChatGPTに仕事以外のこともかなり話しています。
趣味のこと。
生活のこと。
将来やりたいこと。
最近気になっていること。
もちろん、何でも共有する必要はありません。
ただ、人間は仕事だけでできているわけでもありません。
例えば仕事上は合理的な選択でも、家庭や自分の生活を考えると、必ずしも最善とは限らない。
そうした背景まで含めて相談できるようになると、
「この仕事だけを考えればA」
ではなく、
「あなた全体を考えるとB」
という視点が出てくることがあります。
これは、AIを長期的に使う面白さの一つだと思っています。
AIから見て「うまい人」は、プロンプト職人ではなかった
こうして並べてみると、少し拍子抜けしませんか。
高度な命令文を書く。
特殊な記号を使う。
何十行ものテンプレートを準備する。
そんな話はほとんどありません。
むしろ、
思ったことを話す。
自分の考えを伝える。
違ったら直す。
続きを話す。
小さなことでも聞く。
これだけです。
でも、こうした使い方を続けると、AIとのやり取りはどんどん軽くなっていきます。
毎回完璧なプロンプトを書く必要もなくなります。
背景説明も減ります。
相談を始めるハードルも下がります。
そして結果として、仕事が速くなる。
良いプロンプトより、良い関係を作る
もちろん、プロンプトの書き方を学ぶことには意味があります。
でも僕は今、
「AIをうまく使う=良いプロンプトを書く」
だけではないと思っています。
むしろ、
AIとどう仕事をするか
のほうが重要です。
新人に仕事を教えるように、自分の考えを伝える。
違ったら修正する。
少しずつ背景を共有する。
何度も一緒に仕事をする。
そうすると、最初はいちいち説明しなければならなかった相手が、だんだん話の通じる相手になっていきます。
僕にとってChatGPTは、まさにそんなふうに変化してきました。
「AIを使いこなさなければ」と難しく考えるより、
まず普通に話しかけて、普通に一緒に仕事をしてみる。
案外、それが一番の近道なのかもしれません。
質問をきれいに完成させてからAIに聞く必要はありません。質問を作るところからAIを使うという点については、次の記事でもう少し掘り下げたいと思います。
