英語で仕事をしていると、言いたい単語が出てこないことがあります。
勉強不足だからではありません。ある程度英語を使えるようになっても、知らない単語や、すぐには思い出せない表現があるのは普通です。
大切なのは、そこで会話を止めないことです。
難しい単語が出てこなければ、知っている簡単な英語で説明すればよい。
この「言い換える力」が身につくと、仕事で英語を使うことへの不安は大きく減ります。
単語を思い出すことより、意味を伝えること
例えば、会議中に「Agenda(議題)」という単語が出てこなかったとします。
The list of topics we need to discuss today.
今日、話し合う必要がある項目のリストです。
「Discrepancy(不一致)」が出てこなければ、こう説明できます。
These two numbers should be the same, but they are different.
この二つの数字は同じはずですが、違っています。
難しい単語を使わなくても、意味は伝わります。
むしろ、英語を母国語としない人同士で話す場合は、難しい単語を一つ使うより、簡単な言葉で説明した方が誤解を減らせることもあります。
重要なのは、正しい単語を思い出せたかどうかではありません。
相手に必要な情報が伝わり、仕事が前へ進んだかどうかです。
言い換えには、いくつかの型がある
言い換えるといっても、特別に高度な英語は必要ありません。次のような型を覚えておくと役立ちます。
何に使うものかを説明する
It is something we use to check the quality.
品質を確認するために使うものです。
どのような状態かを説明する
It is not working as it should.
本来のとおりに動いていません。
具体例を挙げる
For example, scratches, cracks or stains.
例えば、傷、ひび、汚れなどです。
違いを説明する
This one is higher than the number in the report.
こちらは、報告書の数字より大きくなっています。
単語を一語で言おうとせず、「何に使うものか」「どのような状態か」「何と何が違うのか」に分けて説明するのがコツです。
相手の言葉も、言い換えてもらえばよい
分からない単語を使うのは、自分だけではありません。
相手の話に知らない表現が出てきたら、遠慮せずに聞き返せばよいのです。
- What do you mean by that?
それはどういう意味ですか。 - Could you say that in another way?
別の言い方で説明してもらえますか。 - Could you give me an example?
例を挙げてもらえますか。
聞き取れたふりをして会議を進める方が、仕事では危険です。
分からないまま合意したつもりになれば、後から品質、納期、価格などの問題につながる可能性があります。
聞き返すことは、英語力の不足を見せることではありません。仕事の認識を正確に合わせるための行動です。
会議中に辞書へ入り込まない
以前、電子辞書を会議へ持ち込み、分からない単語が出るたびに調べている人を見かけることがありました。
辞書が手元にあると、気持ちは安心するかもしれません。しかし、会議はその間にも進んでいます。一つの単語を調べているうちに、次の発言を聞き逃し、話の流れそのものが分からなくなることがあります。
現在はスマートフォンやAIを使えば、会議の前に想定される用語を準備したり、会議の後に表現を復習したりできます。それでも、会議の最中は画面の中へ入り込まず、相手とのやり取りを続けることを優先した方がよいでしょう。
その場では簡単な言葉で言い換える。分からなければ聞き返す。正確な表現は、後から調べて次回に使えるようにする。この方が、実際の仕事では機能します。
普段から「簡単に説明する」練習をする
言い換える力は、普段から意識することで伸ばせます。
英単語を覚えるときに、日本語訳だけを暗記するのではなく、「この単語を簡単な英語で説明するとしたら、どう言うか」を考えてみます。
例えば、deadlineなら、
The date when we must finish something.
何かを終わらせなければならない日。
estimateなら、
A document showing the expected cost.
予想される費用を示す書類。
このように、自分の仕事でよく使う言葉から練習すると実践につながります。最初からきれいな定義を作る必要はありません。相手が意味を推測できれば十分です。
言い換えができるようになって、英語が怖くなくなった
私自身、このコツを覚えて実際に使えるようになってから、英語に対する怖さが本当になくなりました。
それまでは、会話の途中で知らない単語が出てきたり、言いたい言葉を思い出せなかったりすると、そこで行き止まりになるように感じていました。
しかし、難しい単語が出てこなくても、知っている簡単な言葉を組み合わせれば説明できる。相手の言葉が分からなければ、別の言い方をお願いすればよい。
そう分かってからは、「知らない単語が出てきたらどうしよう」と心配する必要がなくなりました。
大きかったのは、語彙が急に増えたことではありません。
分からないことがあっても、自分で会話を立て直せるという感覚を持てたことです。
実際の仕事では、どれほど勉強しても、知らない言葉や初めて聞く表現は出てきます。しかし、言い換える力と聞き返す力があれば、それだけで会話が止まることはありません。
「全部を知らなくても、何とかできる」。この自信がついたことで、英語を話すこと自体が怖くなくなったのです。
知らない単語があっても、怖くない
英語力が高い人とは、すべての単語を知っている人ではありません。
知らない単語があっても、知っている表現を組み合わせて伝えられる人です。
言いたい単語が出てこなければ、簡単な言葉で説明する。相手の言葉が分からなければ、別の言い方をお願いする。それができれば、会話は止まりません。
単語を一つ思い出せなかっただけで、「自分は英語ができない」と考える必要はありません。
英語で仕事をする力とは、完璧な表現を知っていることではなく、持っている言葉を使って仕事を前へ進める力です。
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