「英語は、聞き流すだけでは身につかない」とよく言われます。

確かに、意味の分からない英語を流しているだけで、ある日突然話せるようになるわけではありません。

しかし、聞き流しには意味がない、とまで言い切るのも違うと私は思います。

英語の音が少ない環境では、聞き流すだけでも耳を慣らす効果がある。さらに、一度内容を理解した教材なら、学んだ英語を定着させる復習になる。

私自身、会社の仲間とDUO 3.0を勉強し、その復習用CDを通勤中に繰り返し聞いていました。

会社でDUO 3.0の勉強会をしていた

当時、会社で勉強会のようなものを作り、就業後に皆で集まってDUO 3.0の基礎用教材を勉強していました。

DUO 3.0は、重要な単語や熟語を560本の例文へ凝縮した教材です。単語だけをばらばらに覚えるのではなく、文章の中で意味や使い方を学べるところが優れていました。

ここで重要なのは、まったく知らない英語を、いきなり聞き流していたわけではないことです。

就業後の勉強会で内容を学び、その後に同じ教材を繰り返し聞く。最初に理解する時間があったからこそ、通勤中の聞き流しが復習として機能しました。

通勤中は復習用CDを繰り返し聞いた

DUO 3.0には基礎用CDと復習用CDがありました。基礎用は5枚組ですが、復習用は560本の例文を約60分で一巡できる構成です。

私はこの復習用CDを、通勤中によく聞いていました。

毎回、全神経を集中して聞いていたわけではありません。聞き取れない部分があっても止めず、まずは一巡する。それを何度も繰り返しました。

同じ英語を何度も耳にしていると、少しずつ音のまとまりが分かるようになります。以前は聞き取れなかった表現が、あるとき自然に耳へ入ってくることもありました。

英語の音が少ない環境では、聞き流すだけでも意味がある

日本で暮らしていると、意識して機会を作らない限り、日常生活で英語を耳にすることはそれほど多くありません。

そのような環境では、内容を完全に理解できなくても、英語を聞き流すこと自体に一定の効果があると思います。

日本語と英語では、言葉のリズムや強弱、イントネーションが大きく異なります。単語同士がつながって聞こえたり、知っている単語でも発音が変化したりします。

繰り返し耳にしていると、最初は雑音のように聞こえた英語が、やがて単語やフレーズのまとまりとして聞こえるようになります。そのための「耳慣らし」として、聞き流しにも意味があります。

内容を理解した教材なら、聞き流しが復習になる

意味の分からない英語を聞くことには、英語の音やリズムに慣れる効果があります。

一方、一度内容を理解した教材なら、それ以上の効果を期待できます。音を聞いたときに、すでに学んだ意味や表現が頭の中で結びつくからです。

集中して理解した内容を、聞き流しによって何度も頭へ戻していたのです。

聞き流しを学習そのものにするのではなく、学習したものを繰り返し呼び戻す時間として使う。この違いは大きいと思います。

すべてを集中して聞かなくてもよい

忙しい会社員が、毎日まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。

だからこそ、集中して理解する時間と、英語に触れる時間を分けて考えると続けやすくなります。

  • 机に向かえるときは、意味や使い方を理解する
  • 通勤や移動中は、理解した教材を繰り返し聞く
  • 仕事で使える表現があれば、実際に使ってみる

聞き逃すたびに戻ったり、一度ですべて覚えようとしたりする必要はありません。完璧を求めず、教材全体を何度も一巡する方が、英語との接触量を増やせます。

聞き流すだけでは「使える英語」にならない

ただし、耳に慣れただけでは、仕事で使える英語にはなりません。

聞いて覚えた表現を、メールや会議で実際に使ってみることが必要です。自分の言葉として発信し、相手に通じた経験をすると、その表現はさらに強く定着します。

意味を理解する → 繰り返し聞く → 耳に残る → 自分で使う → 通じる → 定着する

この循環を作ることで、教材の中の英語が、仕事で使える英語へ変わっていきます。

仕事で使う表現から覚える考え方は、「仕事英語は、使うものから覚える」でも詳しく紹介しています。

今ならAIで、自分用の聞き流し教材も作れる

今はAIを使えば、自分の仕事で必要な英文を作り、読み上げてもらうこともできます。一般的な教材に加えて、自分の会議やメールで使いそうな表現を繰り返し聞けば、より実務に近い練習ができます。具体的なAI活用については、「AIで仕事を速くする」で紹介しています。

聞き流しは、魔法ではなく復習である

聞き流しだけで英語が身につく、という話ではありません。

それでも、普段英語に触れる機会が少ない環境で、英語特有のリズムやイントネーションに耳を慣らす効果はあります。

さらに、一度意味を理解した教材を繰り返し聞けば、聞き流しは優れた復習方法になります。

聞き流しは、英語学習の代わりにはなりません。しかし、英語の音に耳を慣らし、学んだ表現を定着させる方法としては、十分に価値があります。

集中して学ぶ時間だけを勉強だと考えず、通勤や移動の時間も英語との接触時間に変える。忙しい人にとって、それは現実的で続けやすい学習法だと思います。