ERP編の最後は、データです。ERPで取り扱うデータには、常時使うための「マスター」と呼ばれるデータと、個別の伝票処理としての「トランザクション」と呼ばれるデータ、また、ERP内で計算をする為に必要な「パラメーター」と言うものがあります。

マスターデータ

製品、原材料、顧客、仕入先、価格、取引条件など

トランザクションデータ

顧客からの注文、仕入先への発注、在庫、倉庫からの出庫(ピッキング)など

パラメーター

原材料発注後入荷までの納期、最低保持すべき在庫数量、製造の各工程でかかる時間など

ERPは上記のような社内の各部署で入力した情報を用いて、様々な計算を行います。
本日Aという製品を100個顧客より受注したが、出荷可能な在庫は半分の50個しかない。残りの50個に対する製造指示をかけることになるが、その製品を作る為に必要となる材料のうち、Bという部品が100個必要なところ手持ち在庫は90個。残りの10個をCという仕入先に発注する必要があり、入荷までに7日間かかる。Bの入手後すぐに製造に取り掛かるとしても、製造納期は3日掛かるの。その後出荷検査で1日、トラック輸送に中1日を要する事から、製品Aを注文どおり100個完納する為には、合計13日必要ということが即時にわかり、またそれに従って作業を進める事になります。

しかし、例えばマスターデータのうち、部品Bの納期が間違っており、実際には倍の14日かかるとしたらどうでしょうか?顧客に回答した納期は守れないし、部品入荷に合わせて組んだ製造計画は崩れ、トラックは遊んでしまう事になるかも知れません。またこれらの調整のために多くの社員の時間を浪費する事になるでしょう。
ERP自体は一定のルールで計算を行なっているに過ぎないのです。業務がスムーズに行くかどうかは、ユーザーである社員が入力し、維持するデータの質にかかっていると言えます。この事を理解して、正確なデータを入れる事に最大の努力をする事が、ERP導入、運用成功のカギです。