ERPの最大の特徴は、導入する企業向けに開発するソフトではなく、エクセルのような出来合いのソフトだと言うことです。企業の側から見れば、業務システムを一から外部に開発依頼するのと比較すれば、はるかにコストが安いですし、既に完成して実績のあるソフトのため、バグなどの不具合もほとんどありません。また、業務のやり方が発展途上の中小企業などの場合は、ベストプラクティス(一番良いとされる業務プロセス)を元に作られているERPに自社の業務プロセスを合わせる事で業務改善出来る可能性もあります。
「パッケージソフトである」。この大前提が正しく理解されていないために、導入時や導入後に様々な問題や、ムダな議論を引き起こすことの何と多いことか…「新しいシステムは当社の業務のやり方に合わなくて使いにくいので、直して欲しい」という見当違いの意見が出て来てしまう事を私は何度も何度も目の当たりにして来ました。
ERPはパッケージソフトであるが故、多種多様な業種や企業規模にひとつのソフトで対応できるように、一般的に機能はてんこ盛りで、用語も独特ですし、使わないメニューや項目が見た目に煩わしく感じられる事も多く、初めは使いにくいと感じるのですが、エクセルと同じですよと言われたらある程度納得できます。導入時には、「コンサルタント」と呼ばれる人たちが、業務プロセスを可視化したり、フィットギャップ分析といった手法を通じてスムーズな導入のサポートをしてくれますが、彼らが本当の業務を熟知している訳ではありません。実際に使っていく事となるユーザーが時間を掛けてこれらたくさんの機能を、日々の業務を通じて、多少の冒険心をもって「発掘」していく。その中で自社の業務に合った、より良い「使い方」を見つけ出すことが、ERPを使いこなす為には取り分け重要です。
